赤瀬川源平写真展・散歩の収獲

路上観察の延長、散歩に持参するカメラが思わぬ被写体を捕らえます。

赤瀬川は、「写真に言葉がない。でも写真には表情がある。写真は何かを言いたがっている。それを翻訳するのがタイトルだけど、いつも誤訳の危険に満ちている」と言う。

ディジタルカメラが普及し、カメラ付き携帯電話も多くの人が持ち歩きます。誰でも傑作を撮るチャンスはあります。しかし、対象の表情を掴み、対象の言いたいことを聞き取れるか。「心ここにあらざれば、視ても見えず、聴けども聴こえず」なのです。

今回の作品に特選はないような気がします。入選とまりです。しかし、ここは作品を心行くまで鑑賞して、自らの路上観察の感性を奮い立たせることが肝要だと思います。路上観察の極意を掴み、傑作をものにすることが、路上観察の普及に貢献することになりそうです。

基礎知識がないと何を言っているか判らないでしょう、ここらを参考に。路上観察に興味を抱いたら、残る会期は少ないですが、ぜひお出かけ下さい。赤瀬川に対するインタビュー映像がとても面白かったです。

それから、同時開催の横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展も面白いです。写真機材発展の歴史が良く判ります。

（2010年10月27日記録）